タンカ3 病気の診断 |
タンカ3「病気の診断」は、『四部医典』の「根本(こんぽん)タントラ」第4章を絵にしたものです。これもタンカ2と同様、1本の系統樹ですが、幹が3本に分かれています。 その意味するところは、どういう病気かを診断するために、望診(ぼうしん)・触診(しょくしん)・問診(もんしん)という3つの方法があるからです。 望診は、左側の幹であり、舌や尿を診ています。 触診は中央の幹であり、問診は右側の幹です。 その結果、3つの種類の病気、すなわちルン病(青色)、チーパ病(黄色)、ベーケン病(白色)に分かれます。この病気の分類の方法は、インドの伝統医学アーユルヴェーダの影響を受けたものです。インドでの呼び方と、現代的な理解を示せば、 [インド] [チベット] ワータ(風)運動や機能などの障害→ ルン(風)病 ピッタ(火)代謝や消化などの障害→ チーパ(熱)病 カ パ(水)組織や器官などの障害→ ベーケン(寒)病 となります。この3大要素は、古代医学の洞察力の深さをよく示しています。 |
四部医典タンカ一覧へ |